家事か地獄か 最期まですっくと生き抜く唯一の選択 ― 2025年05月11日
稲垣えみ子 <マガジンハウス・2023.5.25>
ちょうど1年前に読んだ。著者は元・朝日新聞論説委員、編集委員。NHKの番組から髪の毛の容積が巨大な女性として知っていたが、人となりは全く知らなかった。50歳で退職してその後は定職を持たず、江戸庶民の長屋暮らしを理想とした生活に一変させて極めてハッピーになった、という話。以前に読書メモを残した「ほくはテクノロジーを使わずに生きることにした」のマーク・ボイルほど極端ではないが、洗濯機、冷蔵庫、掃除機などの家電は使わず、調理はカセットコンロ1台のみで一汁一菜の食事。狭いアパート住まいで収納が無いので衣服も最低限のみ。会社員時代は着飾ってグルメ大好き、高級マンション暮らしだったというから、そういう生活も知っていながら、既に10年続けた今の状態が最高で、死ぬまでこれを続けるそうだから本気のようだ。逆に年老いて身体が動かなくなったときこそ、このスタイルが生きやすい、という。家事に割く時間は1日30分か40分、仕事は午前と午後に近所の喫茶店での執筆で、あとは好きなことをして遊んでいる。買い物や食事、銭湯などはご近所の馴染みの店にいき、地域の人との繋がりを大事にしている。きっかけは福島原発事故で、電気に頼らない生活を目指したところから始まったそうだが、そこからの激変は凄まじい。書いてある通り、本人にも新発見の連続だったのだろう。基本的な考え方は上記のマーク・ボイルや私と同類で、ボイルと私の間にいる感じ。本書のあと彼女の著書数冊を読んだので、以下はそれらも含めて、私と同類と感じたこと。
先ず似ていると思ったのは細かいことだが家庭菜園と食事。彼女の場合はベランダのプランターだが、自分で作った野菜は客観的に不味くても、美味しいと思って食べられること。味よりも自分が作ったという満足感が勝る、というのは良くわかる。他人との比較に関心はなく、自分がどう感じるかが大事。お金は生活に必要な分だけあればよく、贅沢をするためにお金を稼ぐことはしない(以前の著者は良い生活のため必死に稼いでいた)。家事に割く時間は最低限というのも、方法は違うが結果は同じ。但し著者が生活を極めてシンプルにしたら必要な家事が激減したのに対して、私は意識して家事を減らしているので、終わった後のすっきり感は全くない。
本書を含めた彼女の著書から影響を受けたのは、以前から考えていた乾燥野菜を作ろう、ということくらいだが、マーク・ボイルよりもっと近い同類を知って意気投合、の感じに近いのかも知れない。
ちょうど1年前に読んだ。著者は元・朝日新聞論説委員、編集委員。NHKの番組から髪の毛の容積が巨大な女性として知っていたが、人となりは全く知らなかった。50歳で退職してその後は定職を持たず、江戸庶民の長屋暮らしを理想とした生活に一変させて極めてハッピーになった、という話。以前に読書メモを残した「ほくはテクノロジーを使わずに生きることにした」のマーク・ボイルほど極端ではないが、洗濯機、冷蔵庫、掃除機などの家電は使わず、調理はカセットコンロ1台のみで一汁一菜の食事。狭いアパート住まいで収納が無いので衣服も最低限のみ。会社員時代は着飾ってグルメ大好き、高級マンション暮らしだったというから、そういう生活も知っていながら、既に10年続けた今の状態が最高で、死ぬまでこれを続けるそうだから本気のようだ。逆に年老いて身体が動かなくなったときこそ、このスタイルが生きやすい、という。家事に割く時間は1日30分か40分、仕事は午前と午後に近所の喫茶店での執筆で、あとは好きなことをして遊んでいる。買い物や食事、銭湯などはご近所の馴染みの店にいき、地域の人との繋がりを大事にしている。きっかけは福島原発事故で、電気に頼らない生活を目指したところから始まったそうだが、そこからの激変は凄まじい。書いてある通り、本人にも新発見の連続だったのだろう。基本的な考え方は上記のマーク・ボイルや私と同類で、ボイルと私の間にいる感じ。本書のあと彼女の著書数冊を読んだので、以下はそれらも含めて、私と同類と感じたこと。
先ず似ていると思ったのは細かいことだが家庭菜園と食事。彼女の場合はベランダのプランターだが、自分で作った野菜は客観的に不味くても、美味しいと思って食べられること。味よりも自分が作ったという満足感が勝る、というのは良くわかる。他人との比較に関心はなく、自分がどう感じるかが大事。お金は生活に必要な分だけあればよく、贅沢をするためにお金を稼ぐことはしない(以前の著者は良い生活のため必死に稼いでいた)。家事に割く時間は最低限というのも、方法は違うが結果は同じ。但し著者が生活を極めてシンプルにしたら必要な家事が激減したのに対して、私は意識して家事を減らしているので、終わった後のすっきり感は全くない。
本書を含めた彼女の著書から影響を受けたのは、以前から考えていた乾燥野菜を作ろう、ということくらいだが、マーク・ボイルよりもっと近い同類を知って意気投合、の感じに近いのかも知れない。
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