お金のむこうに人がいる2022年04月17日

田内学 <ダイヤモンド社・2021.9.29>

 書評チェックの網にはかからなかったが、息子が面白いと言って紹介してくれた。「元ゴールドマン・サックス金利トレーダーが書いた」という触れ込みにやや疑問を持って読み始めたが、予想を遥かに越えた説得力があり、タイトルの意図が良く伝わってきた。これまでに読んだ経済の本の中で(といっても大した数はないが)最も読みやすく、経済の見方、考え方に大きなインパクトをもらった気がする。国債を大量に発行して国の借金が増えてもインフレにはならない、大増税を行なって(国内の金持ちや企業から?)集金すればいいだけ、ということなのでMMTの理論に与すると思われるが、確かに今のところ日本で国債の暴落は起きず、インフレどころかデフレからの脱却もままならいない。これも経済学でいう「労働価値説」という括りに入るのだろうか? 経済の専門家からの批判が聞きたいところだ。
 経済をお金で考えず、人の労働で考えることは、マクロの問題だけでなく、日々の生活でも応用できそうだ。何かを買ったり、誰かに何かをしてもらったら、金銭の授受の有無に関わらず相手に感謝。

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